2018年 11月 27日
母のもとへ |
本日の夕刻
愛犬 栗子が旅立ちました。
享年 16歳と2ヶ月
長生きしてくれました。
ここ数年体力も視力もすっかり衰えて食も細くなり
血液検査の数値も悪く膵炎が疑われて具合が悪かったのですが
年齢的にも麻酔を伴う治療は命に関わる可能性があり
MRIや CT、もちろんその検査を受けないと出来ない手術は獣医師とも相談して
しない方向で対処療法で診療を行って貰いました。
嫌がるのでしなかったエコー検査を
久々に10月に行ったところ
かなり大きな副腎腫瘍らしき物が見つかりました。
脱水症状がひどいので、二日に一度通院して保水の注射をして貰い
液体フードだけではやせ衰えて行くので
缶詰の柔らかいフードをミキサーにかけて毎回時間をかけて
シリンジで飲ませる毎日が続きました。
これは全て妹の仕事です。
妹も精一杯看護したと思います。
自分は自分の体調を維持するのが精一杯なので
応援する事しかできませんでした。
妹の献身的な看護の甲斐あって
体重も少し増えて病状も安定したのでは?
と思えた時期もあったのですが
ここ数日急に容体が悪くなり
痛みがあるのか夜鳴きも多くなり
そのせいで、睡眠不足になった自分は体調を崩す始末。
栗子と妹が頑張っているのに、自分の事しか考えず
妹に当たってしまった自分を恥じます。
そんな夜鳴きに悩ませられたのもほんの数日
今日最後を迎えました。
苦しそうに妹の腕の中で息絶えました。
妹はあまり苦しむ様だったら
痛み止めの注射をしてもらおうと思っていたのですが
運悪く今日は休診日
明日お休みを取って連れていくつもりだったのですが
間に合いませんでした。
栗子と一番仲が良かったのは亡き母でした。
栗子の定位置は居間のソファー左端に座った母の膝の上。
孫のいない母にとっては孫がわりの存在でした。
可愛くて可愛くてしょうがないと言った感じで
この子が言葉喋れれはねえ…が口癖でした。
私が仕事から帰ると「今日クリちゃんがね…」と
こんな表情をしたとか、こんなイタズラをしたとか
たわいない事を嬉しそうに語るのでした。
その時は凄く幸せそうな笑顔でした。
栗子が家に来て母が亡くなる6年の間は
母は毎日栗子と一緒に笑いあっていたのです。
これは凄い事です。
これだけでも彼女が我が家にやって来た功績と言えます。
数日経てばきっと寂しさが襲って来るとは思いますが
今は感謝の気持ちと頑張って生きた事へのリスペクトが優っています。
犬をペットとして溺愛する飼い主の方々からは冷たいと言われるかもしれませんが
私は栗子を家族の一員、一緒に生きて行くパートナーとして向かい合って来ました。
この思想を植え付けてくれたのは友人でもあるドッグトレーナーでした。
愛玩動物では無い、一緒に暮らすには信頼関係の構築が必要
そんな人間に近い存在として付き合う事を教えてくれたのは彼でした。
犬を飼おうか?という話が我が家で出てから
西麻布のバーで彼に何度か相談に乗ってもらいました。
彼の思想に触れなければ、犬に対して赤ちゃん言葉で接するバカ飼い主になっていたかもしれません。
動物と暮らす幸福感を教えてもらいました。
ありがとう!
今は家に来た頃と同じく、くるっと丸まって眠っています。
本当に寝ている様にしか見えません。
そっちの世界でも、君と一番仲の良かったお母さんの膝の上で甘えてください。
ありがとう!よく頑張ったね!
by jintaro_jin
| 2018-11-27 23:00
| 犬との生活